忘れられた約束と2度目のビリヤニ
海外へ行くことが一気に難しくなったコロナ渦。
2021年2度目の海外遠征であります。出発前のPCR検査陰性証明が必要だったり、帰国後に2週間の自主待機が必要だったりと仕事でなければいけないハードルの高さです。日本よりも感染者数が少ない国に行って帰国後2週間待機ってなんだかなとは思いますが、それはそれでルールなので仕方がありません。しっかり守りました。
今回も行ってきました。シンガポール。
コロナ禍以前であれば空き時間に外でお茶でもとなるのですが、コロナ禍での遠征はホテルから外出することができずに全てはホテルで済ませて、試合をしてそのまま帰国します。東京オリンピック・パラリンピックで感染リスクが心配と話題になっていますが、PCR検査して一切の外出をせずに試合をして帰るのであれば、リスクは最小に抑えれるのでそこまで気にする必要はないのではないかと僕は感じています。選手はストレスが溜まりますが、現状できるベストの開催方法はこの形式だと思っております。
今回の大会はアメリカの放送局『TNT』での放送時間に合わせてなので、シンガポール時間の朝8時半からの大会開始です。朝8時半開始なので5時半には起床して会場に向かいます。コンディション作りが難しいと言われるのですが、そこは『プロ選手』ですし、条件は皆同じなので難しさはありません。試合は元気に無事に終わって勝利で気持ちよくホテルに帰ります。試合が終わった10分後にはホテルへの車でホテル缶詰に舞い戻るので試合の余韻に浸るのはホテルに帰ってからです。味気ないことこの上ない。
朝の大会なのでホテルに戻っても朝の10時です。一日が長い。
部屋に戻るとドアノブにホテルから提供される朝食が掛かっています。朝食だけが提供されて、後は各自でデリバリーアプリで注文するスタイルです。この朝食が僕は得意ではないこともあってため息が出る。それ以上に試合後は緊張から食事を欲しないので、その日はバナナ程度にして時間を潰すことにしました。
それにしても試合が終わって一日あるのは勝手が違って要領を得ません。普段だったら試合が終わった翌日に帰れるのですが、コロナ渦はPCR検査陰性証明をしないと飛行機に乗れないので、エクストラで2日ついてきます。試合が終わって部屋で過ごすだけの二日間は途方に暮れるしかない。
翌日には食欲も回復して『カレー』を注文します。
ONEのスタッフが撮影で良い子にしてたら試合後にカレーを差し入れするとのことだったのだが、そんな約束は忘れ去られていて、一向に届かないので業を煮やして自ら注文します。約束守らないのは外国人でも日本人でも一定数は存在して、本人は悪いと思っていないので言っても始まりません。根に持つだけにしておきます。
ホテルがインド人街のど真ん中にあるのでローカルの店でビリヤニを買ってきてもらいました。冒険せずに前回の試合後に食べたビリヤニと同じ店で同じビリヤニ。同じ店で同じビリヤニを頼んでも同じビリヤニが出てくるかわからないのがシンガポールクオリティ。前回は感動的な美味しさだったのに今回は水気が強くてイマイチ感が否めないのです。アマは一回美味しい物を作ることは出来る。それをコンスタントに出せるのがプロだと誰かが言っていたのを思い出してしまいました。格闘技はいつでもどこでも誰にでも自分の技を出せるように稽古します。それはそっくりそのまま料理にも言えるなと妙な納得をして完食しました。気持ち前よりも油が強いようにも感じて盛大に胃もたれです。その日は昼夜兼用となってしまいました。首を傾げての帰国の途につきます。
コロナ禍は帰国後も継続中で緊急事態宣言は延長される雰囲気が出ている。国内の大会も延期や中止になったりと混乱は続いています。僕もプロレスの地方大会が一つとんだりと影響はそれなりに受けています。どの業種もそうだとは思うのですが、そろそろ立ち行かなくなってきていて、活路を求めて活動しなければいけない状態にいよいよなっています。ここはなんとかして生き残っていかねばいけないと思っているし、自分が好きなものは残していくためにしっかり使い倒そうと考えています。
好きな飲食店やアーティストなどなど。無くなってから気がつくのでは遅いから形あるうちに愛しましょう。そんなわけで僕は格闘技をして、カレーを食べて、サウナに入る日々を変わらずに送ります。そういえばコロナ以前と今と考えても生活が何も変わっていないなあ。変わらずに日々を生きましょう。