柔い黄の カレーの海に キーマ島 箸で割くこと 十戒の如し
白金高輪は「このむ」にて『ダブルカレーうどん』を。
思えば、入店もモーセの十戒のようだ。正面の入り口が奥まっており、コの字の型の突き当たりに愛想と重みを合わせ持つ木製の扉がある。そこに辿り着くまでには、ガラス張りで竹林をイメージした両壁を横目に進むのだけど、なんとなく竹の海を割いて進むような気持ちにならなくもない。
カレーうどんの名店とお聞きしてます。宜しく御願いします、心で拝して扉を開ける。1人なのでカウンターに通された。伸び伸びぃーとぉーできる。早かったから空いてて、贅沢にカウンターが使えた。居酒屋や鮨屋のカウンターは好きだなぁ。
さて、カレーうどん。クリーミー系の想定だった。レビューを見ると古奈屋に近いようなイメージ、だった。それが、
ダブルカレーうどんというメニューがあるではないか。なんと特製キーマだと書いてある。
「これ、GIVE ME でございます」
思わず頼んだ。
しばらくすると、どどっと入店が相次ぐ。テーブル席の数があるので4.5人で来る客が多い。他のオーダーを聞いていると「カツカレーうどん」の声が多かった。カツカレーうどん、これも珍しいしね、僕もさっき迷ったよ、でも最近カツからは距離をとっているんだ。
カツまでも同時に愛せない。そんな不逞は働けないよ。僕はカレーを想ってるんだ。カツ子とは友達のままでいたい… 確かに魅力的だよ、まわりから見たら都合のいい関係にしか見えないかもしれない、え?カツ子、それでもいいの?えー!どうしようかなー!というとこで、着丼。
非常に珍しい。1つの器で2種のカレーを表現するカレーうどん。デフォのクリーミーが凄くいい。スパイスが効いてるけど円やかだ。まんまる。鰹節もガツンと効いてますね。視認できるもん。麺も程よい太さ。これは美味いです。白人が喜んで食べていたけど、こういうのは日本にしかないかもねー、と思った。
そして、ここに粘度高めのキーマが入る、粗挽き。だから、黄色のマイルドなカレー海に浮かぶ島みたいだ。ここに箸を入れ、ドーンと海ごと真っ二つに!そして、混ぜ合わせると、まー、ぜっつ妙なバランスじゃないの、魅力的じゃないの。高貴な濃厚。うどんなのに2種盛りカレーに本当に成功している。すごい。
美味しかった。群馬県の郷土料理のお店なんですね。でも、丼はもっと食べやすいのあるはず!
汁は、歪な器だと食べずらいのだ。
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